仕事が終わらない理由を、能力のせいにしない
一日の終わりに、
まだ終わっていない作業を前にして、
席を立てないまま時間だけが過ぎていく。
中間管理職という立場にいると、
こうした状況は珍しくありません。
判断が必要な仕事。
部下の確認。
数字のチェック。
資料や文章の処理。
どれも避けられない業務で、
手を抜いている感覚はありません。
それでも、
残業は減らない。
そんなとき、
「自分の処理が遅いのではないか」
そう考えてしまうことがあります。
けれど、
忙しさの中身をよく見てみると、
能力よりも、
作業の抱え方そのものに原因があることが多い。
考える。
整理する。
整え直す。
まとめる。
これらをすべて一人で処理しながら、
同時に判断まで担おうとすると、
時間はいくらあっても足りません。
ここまで振り返ってみて、
今はこう感じています。
仕事が重いのは、
量よりも、
処理の構造が重なりすぎているから。
AIは、忙しさを加速させる存在ではなかった
AIを使い始めたとき、
正直なところ、
これ以上手間が増えるのでは、という不安がありました。
学ぶ余裕もない。
試す時間もない。
時間に追われている立場ほど、
新しい道具は負担になりやすい。
けれど、使い続けるうちに、
印象は少しずつ変わっていきました。
AIは、
作業を増やす存在ではなく、
考えなくていい工程を引き受ける存在でした。
文章を一から整える。
資料の構成を考える。
情報を並べ替える。
こうした業務の中には、
判断を伴わない処理が、
想像以上に多く含まれています。
それをすべて自分で抱えると、
本当に判断が必要な場面で、
集中力が残りません。
今のところ、
AIとの距離感は、
この捉え方がしっくりきています。
AIは判断を代替するものではなく、
判断前の処理を引き受ける存在。
軽量化フレームは、作業を分解するところから始まる
ここで言っている「軽量化フレーム」は、
特別な手法や完成された仕組みのことではありません。
仕事を、
自分が判断すべき部分と、
判断しなくても進められる処理に分けて眺める、
そのための考え方を指しています。
すべてを自分で抱えないために、
どこまでを自分が担い、
どこからをAIや仕組みに預けるか。
その線引きを、都度見直すための枠組みです。
時間に余裕がないと、
どこから手を付ければいいのか分からなくなり、
すべての作業が同じ重さでのしかかってきます。
だから僕は、
作業を三つに分けて眺めるようにしています。
・考えなくても進められる処理
・少し考えれば形になる処理
・自分が判断すべき部分
残業が続いているときほど、
三つ目ではなく、
一つ目と二つ目に時間を取られていることが多い。
たとえば、
何を決めるかは自分で考える。
どう整えるかはAIに任せる。
課題を特定するのは自分。
一覧にまとめる処理はAIに預ける。
この分解をするだけで、
作業の向き合い方が少し変わります。
今の段階では、
この切り分けが、
忙しい中でも無理なく続いています。
判断は自分が担う。
処理は分担する。
仕組み化は、余裕ができてからでは始まらない
「落ち着いたら整えよう」
そう思っているうちに、
忙しさは解消されません。
だから今は、
仕組み化は、
余裕ができてからやるものではなく、
忙しい状態のまま始めるものだと考えています。
といっても、
完成形を目指す必要はありません。
使いやすかった指示。
助けられたやり取り。
処理が軽くなった場面。
それらを、
整えずに、そのまま残しておく。
時間に追われた中で残った痕跡が、
あとから振り返ると、
自然と型になっていきます。
今は、こう捉えています。
仕組みは設計するものではなく、
忙しさの中で残った処理の跡。
共有は、後回しでいい
中間管理職の立場にいると、
「チームに展開できるか」を
早い段階で考えてしまいます。
マニュアル化できるか。
再現できるか。
けれど、
自分の中でまだ定まっていないものを共有すると、
説明や調整が増え、
かえって負荷が増えることがあります。
だから今は、
一つだけ基準を置いています。
それを使って、
自分の残業は、少しでも減っているか。
自分の作業が軽くなっていれば、
そのやり方は、
自然と人に渡せる形になっていきます。
共有は目的ではなく、
結果として起きるもの。
そう考えるほうが、
今の立場には合っていました。
軽くなるとは、余裕が戻ること
仕事が軽くなると、
必ずしも早く終わるわけではありません。
それでも、
一度立ち止まれる。
考え直せる。
詰め込みすぎなくていい。
そうした余白が、
少しずつ戻ってきます。
AIと分担することで、
判断そのものに使う時間というより、
判断する前に頭を整える余裕が生まれます。
今日も残業になりそうなとき、
何かを増やす前に、
どこを預けられるかを考えてみる。
そのくらいの距離感で、
軽量化フレームを扱ってもいい。
僕自身も、
時間に追われながら、
まだ試している途中です。
今の立ち位置から見えた整理として、
ここに残しておきます。



