忙しいのに、何も積み上がっていない感覚について

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一日が終わるのが、やけに早い日があります。
朝から夜まで、予定は埋まっていて、
Slackの通知も、会議も、修正も、途切れなかったはずなのに。

それなのに、
夜になって一日を思い返すと、
頭の中が、空っぽな感じがする。

達成感がないのです。

ちゃんと働いたはずで、
疲れてもいる。
でも、何をやったのかと聞かれると、
うまく答えられない。

この感じが、
いつからか、
当たり前みたいに続いていました。


立ち止まった理由

この記事を書こうと思ったのは、
この感覚を、うまく無視できなくなってきたからです。

以前の僕は、
忙しい状態そのものを、
前に進んでいる証拠のように扱っていました。

案件が重なっている。
問い合わせが多い。
やることが次々に出てくる。

それだけで、
「大丈夫だ」と思えていた気がします。

でも最近、
忙しさと安心感が、
きれいに重ならなくなってきました。

一日は一瞬で終わるのに、
振り返ろうとすると、
言葉が出てこない。

その違和感が、
静かに溜まっていきました。


働き方の中にある、見えにくい違和感

ECの運営をしていると、
一日の中で関わる業務が、細かく分かれます。

・商品登録
・広告の構成と入稿
・画像や文章の修正
・在庫や価格の調整
・問い合わせ対応
・数字の確認

今日やっている作業が、
どの売上に、
どの判断に、
どうつながっているのか。

考えようとした瞬間に、
次のタスクが入ってきます。

止めないこと。
滞らせないこと。
クレームにしないこと。

それらを優先しているうちに、
「回し続ける」こと自体が、
いつの間にか、目的になっていました。

もちろん、
それが悪いわけではありません。
ECの現場として、必要な局面もあります。

ただ、
その状態が続くと、
自分の中に、何も残っていない感覚が、
静かに広がっていきます。

やっている。
でも、達成感がない。

そんな感覚です。


声に出して考える中で見えてきたこと

ある日、
作業の合間に、ふと思いました。

考えたことって、
どこに行ってしまうんだろう。

数字を見て感じた違和感。
文章を書きながら引っかかった言葉。
一瞬浮かんだ改善のアイデア。

それらは、
形になる前に、
ほとんどが流れていっていました。

そこで、
整理するためではなく、
消さないために、
声に出して考える時間をつくるようになりました。

きれいな言葉にしなくていい。
結論を出さなくていい。
ただ、そのまま言葉にする。

そうして、
少しずつ分かってきたことがあります。

自分は、
考えていなかったわけではない。
ただ、
考えが留まらない状態だった。

忙しさの中では、
思考はずっと動いています。
でも、動き続けるだけで、
どこにも引っかからない。

だから、
振り返ったときに、
何も残っていないように感じる。

記録することは、
前に進むためというより、
その場に、ほんの少し腰を下ろす行為なのかもしれません。


生活や仕事に起きた、ささやかな変化

大きく何かが変わったわけではありません。
売上が急に伸びたわけでも、
業務が減ったわけでもない。

それでも、
一日の終わりに、
「今日は、こう感じていたな」と
思い出せる瞬間が、少し増えました。

成果でもなく、
進捗でもなく、
評価とも違う。

感覚としての手応えが、
かすかに残るようになった。

忙しさの中に、
小さな芯のようなものが、
できた気がしています。


過去の自分と重ねて見えてきたこと

振り返ると、
以前の僕も、
似たような感覚を抱えていました。

ただ当時は、
「もっと頑張らないと」
「まだ足りない」
そうやって、
自分を前に押し出そうとしていた気がします。

今思えば、
足りなかったのは努力ではなく、
立ち止まる余白だったのかもしれません。

何かを増やす前に、
今ある感覚に気づくこと。

それを、
ようやく少しだけ、
理解できるようになってきました。


この先にありそうな時間の流れ

この先、
働き方が大きく変わるかどうかは、分かりません。

ECの仕事も、
楽になる方向ばかりではないと思います。

それでも、
自分の感覚を、
完全に置き去りにしない時間は、
続けていけそうな気がしています。

積み上がっているかどうかは、
あとから分かればいい。

今は、
流れていく思考を、
少しだけ掬い上げながら、
日々を進めていく。

そんな未来も、
悪くないのかもしれません。


最後に

忙しいのに、
何も積み上がっていない感覚。

それは、
怠けている証拠でも、
間違っているサインでもないのだと思います。

ただ、
少し呼吸が浅くなっているだけ。

読み終えたあと、
「何かしなければ」ではなく、
少し呼吸が整ったと感じてもらえたら。

どう受け取るかは、
読んだあなたに委ねたいと思います。