EC運営が「作業」になっていると気づいた瞬間

EC運営が「作業」になっていると気づいた瞬間のアイキャッチ画像 03 | EC・デジタル活用

受注の数字を確認して、
問い合わせに返信して、
商品ページを更新する。

今日も、昨日と同じ流れで一日が進んでいく。

大きなトラブルはない。
作業は滞りなく回っている。

それなのに、
ふとした瞬間、胸の奥に引っかかるものが残った。

「ちゃんとやっているはずなのに、
 何も残っていない感じがする」

そんな違和感だった。

手は動いているのに、心が追いついていない

ECの仕事は、
やることが明確だ。

受注処理。
在庫確認。
商品登録。
レビュー対応。

どれも必要で、
どれも欠かせない。

だからこそ、
迷わず手を動かせてしまう。

けれど、ある日。
いつものように管理画面を開いたとき、
画面の向こう側が、少し遠く感じた。

「これ、何のためにやってるんだろう」

頭の中で、
そんな言葉が浮かんで、すぐに消えた。

忙しさにかき消される前に、
一度だけ、立ち止まってみた。

この記事を書くに至った背景

この記事を書こうと思ったのは、
自分の中のその違和感を、
なかったことにしたくなかったからだ。

仕事としては、問題がなかった。
評価されていないわけでもない。
むしろ、淡々と回せている。

それでも、
「作業」としてしか仕事を見られなくなっている自分に、
少しだけ怖さを感じた。

効率は上がっている。
判断も早くなっている。

なのに、
心の中が空白のまま、
日付だけが進んでいく感覚があった。

それは、失敗でも挫折でもない。
だからこそ、気づきにくい。

ECという現場で、僕が感じていたこと

EC運営の現場は、
数字と判断の連続だ。

売上。
転換率。
在庫回転。

どれも現実で、
目を背けられない。

以前の僕は、
数字に向き合うことで、
仕事の輪郭を保っていた。

でも、いつの間にか。
数字を見ることが、
「考えること」ではなく、
「処理すること」に変わっていた。

数字を見て、
理由を考える前に、
次のタスクに進む。

その繰り返し。

たぶん、
忙しさに慣れすぎていたんだと思う。

「回しているだけかもしれない」という独り言

ある日、
業務を終えたあと、
何気なく浮かんだ言葉があった。

「僕、ただ回してるだけかもしれない」

誰かに言ったわけでもない。
ノートに書いたわけでもない。

ただ、頭の中に残った。

その言葉は、
自分を責めるものでも、
否定するものでもなかった。

むしろ、
正直な確認だった。

「今の自分は、
 どこに立っているんだろう」

そう問い直す、
小さなきっかけだった。

作業と仕事のあいだにあるもの

作業が悪いわけじゃない。
むしろ、作業があるから現場は回る。

ただ、
作業だけになったとき、
仕事の意味は薄くなる。

その間にあるのが、
考える時間なんだと思う。

・なぜ、この対応をしているのか
・この判断は、誰のためのものか
・自分は、何を大事にしたいのか

答えを出す必要はない。
ただ、考えようとすること。

それが抜け落ちたとき、
仕事は静かに、作業へと傾いていく。

過去の自分と、今の自分を重ねてみる

振り返ってみると、
昔の僕は、もっと迷っていた。

判断に時間がかかって、
正解を探して、
何度も立ち止まっていた。

その頃は、
効率も悪かったし、
遠回りも多かった。

でも、
仕事を「自分のもの」として
感じていた気がする。

今は、
判断は早い。
作業も正確。

その代わり、
迷う時間を、
意識的に取らなくなっていた。

成長した部分と、
失っていた感覚。

どちらも、
同時に起きていたのかもしれない。

少しだけ、仕事との距離を変えてみる

大きく変える必要はなかった。

・管理画面を見る前に、一呼吸する
・数字を眺めて、理由を考えてみる
・今日は何が引っかかったかを、頭の中で振り返る

ほんの、それだけ。

作業量は変わらない。
忙しさも、すぐには減らない。

それでも、
仕事が「自分の外」に流れていく感じは、
少しだけ薄れた。

「考えている」という感覚が、
戻ってきたからだと思う。

この先にありそうな、静かな変化

たぶん、
これで何かが劇的に変わるわけじゃない。

明日も、
受注は入るし、
対応は続く。

それでも、
仕事の中に、
自分の視点が残る。

その状態が続けば、
仕事はまた、
別の顔を見せてくれる気がしている。

まだ途中だ。
今も試行錯誤の中にいる。

ただ、
「回しているだけかもしれない」と
感じられたこと自体が、
ひとつの合図だったようにも思う。

もし、
あなたが同じような違和感を抱えているなら、
それは立ち止まる理由になるかもしれない。

どう受け取るかは、
あなたのペースでいい。

僕は今日も、
考えながら、
手を動かしている。