管理画面を開くと、つい更新ボタンを押してしまいます。
さっき見たばかりなのに、「もう一度だけ」という気持ちで。
売上速報、セッション数、ROAS。
並んでいる数字は大して昨日と変わらないと分かっているのに、どこか落ち着かないまま時間が過ぎていきます。
数字を見ているはずなのに、自分の仕事をしていないような。
そんな不思議な焦りを感じることはありませんか?
数字の画面を、何度も更新してしまう朝
管理画面を開くと、昨日の数字が並んでいます。
色のついたグラフと、正確な数値。
悪くはない。でも、よくもない。
更新ボタンを押すたびに、少しだけ喉が渇くような感覚があります。
「何かが足りない」
それが何なのかは、管理画面のどこにも書いてありません。
数字は嘘をつきません。でも、感情も語ってくれません。
ただ、画面のこちら側にいる僕たちの焦りだけが、静かに溜まっていくような気がします。
なぜか、スマホで自分の店を開いてみた
その朝、ふとPCを閉じました。
理由ははっきりしません。ただ、あの無機質な管理画面から少し離れたかっただけかもしれません。
通勤電車の中で、いつものようにSNSを開く代わりに、自分の店のURLを叩きました。
検索でもなく、分析でもなく、ただの「お客さま」として。
そういえば、自分の店をスマホでじっくり見るなんて、久しぶりな気がしました。
「お客さまは、毎日この画面を見ているんだ」
スマホを握りしめながら、そんな当たり前のことを思い出しました。
スマホで巡回して、引っかかった「小さな違和感」
トップページが表示されます。
毎日PCで作っているはずの売場なのに、スマホで見ると少し印象が違いました。
メインビジュアルの画像が、少しだけ粗い気がする。
PCの大画面では気にならなかった部分です。
「送料無料」のバナーの文字が、思ったより小さい。
揺れる電車の中では、これを読むのは少ししんどいかもしれない。
スクロールすると、商品の説明が続きます。
丁寧に書いたはずの文章が、スマホの狭い画面では文字の「塊」に見えてしまう。
「悪くはないけれど、なんだか優しくない」
そんな印象が残りました。
決定的な欠陥ではありません。でも、「買いづらいな」と感じさせる小さな違和感が、そこかしこに落ちていました。
数字は「結果」で、売場は「原因」
ふと、管理画面の数字が頭に浮かびました。
滞在時間が短い理由。直帰率が高い理由。
あの冷たい数値の原因は、すべてここにありました。
今、僕の手のひらの中にある、この画面に。
数字は「結果」で、売場は「原因」です。
この関係は、頭では理解しているつもりでした。
でも、毎日数字ばかりを見続けていると、いつの間にかそれが逆転してしまいます。
結果(数字)をなんとか操作しようとして、原因(売場)から目を逸らしてしまう。
でも、スマホの小さな画面は言い訳を許してくれません。
「景気が悪い」「市場が悪い」そう言いたくなる前に、
「ここ、読みにくいよ」と、売場そのものが静かに本音を語りかけてくるのです。
管理画面から、お客さまの視線へ
スマホでの巡回を終えたあと、不思議と焦りは少し和らいでいました。
もちろん、今の時点では売上も数字も変わっていません。
でも、「見る方向」が変わりました。
それだけで、少し呼吸が整う感覚がありました。
「次に手を入れるべき場所」が見えると、仕事は静かになります。
改善点は山ほど見つかりました。
もちろん、全部を一気に直すことはできません。
だから、明日はひとつだけ。
画像の文字を少し大きくしてみる。
説明文の行間を、あと1行分だけ空けてみる。
そんな「明日からできる小さな手入れ」が見えただけで十分です。
管理画面は、また明日開けばいい。
その前に、一度だけ更新ボタンを押すのをやめて、スマホで自分の店を眺めてみる。
それだけで、数字に追われる毎日が、少しだけ「お店を育てる毎日」に変わる気がしています。
今日を少しよくするヒントとして。


