落ち着いて働くための思考の整え方 ──感情に引きずられすぎないために

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仕事をしていると、
理由ははっきりしないのに、気持ちが重たくなる瞬間があります。

大きな問題が起きたわけでもない。
何か決定的な出来事があったわけでもない。

それでも、
一日を終える頃には、
どこか消耗している。

「ちゃんとやっているはずなのに」
「こんなに疲れるほどのことだっただろうか」

そう思いながら、
次の日も、また同じ場所に立つ。

この感覚は、
頑張りが足りないから生まれるものではない気がしています。
むしろ、
必要以上に気を配り、考え、受け止めてきた結果として
積み重なっていくものなのかもしれません。

この文章では、
そうした日々の中で、
気持ちを奮い立たせるのではなく、
少し緩めるための思考の整理を試みます。

何かを変えようとしなくていい。
前向きにならなくてもいい。

ただ、
今の自分が置かれている状態を、
静かに見直すための時間です。


まず、ひとつの結論から

落ち着いて働くためには、
自分が引き受けているものを、いったん分解してみる
ことが役に立ちます。

これは、
気合や工夫の話ではありません。

「何を、ここまで抱えなくてもよかったのか」
それを見分けるための視点です。


気持ちが乱れるとき、起きていること

疲れやすいと感じる時期は、
作業量が増えているとは限りません。

むしろ、
・相手の反応を先回りして考えている
・場の空気を読み続けている
・間違えないように気を張っている
・期待に応えようと無意識に背伸びしている

こうした状態が続いていることが多いように思います。

一つひとつは、
決して悪いことではありません。

真面目で、
責任感があって、
周囲を見て動いてきた証でもあります。

ただ、
それが常態化すると、
心は少しずつ外側に引っ張られていきます。

自分では選べない部分にまで、
意識を向け続けてしまう。

その状態が続くと、
疲れは、じわじわと溜まっていきます。


自分が引き受けている「役割」を見直す

落ち着いて働くために、
まず確認したいのは、
「いまの自分が、どこまでを自分の役割だと思っているか」です。

たとえば、

・どう受け取るか
・どう考えるか
・どう返すか
・どこまで丁寧にやるか
・今日はどこで区切るか

これらは、
自分で調整できる領域です。

一方で、

・相手がどう感じるか
・満足してもらえるか
・期待通りだったか
・後で何か言われないか

こうしたことは、
どれだけ気を配っても、
完全には引き受けきれません。

それでも、
真面目な人ほど、
後者まで含めて「自分の責任」だと感じてしまう。

その結果、
常に気が抜けない状態になります。

役割が膨らみすぎていると、
気持ちは落ち着きにくくなる。

これは、
能力の問題ではなく、
抱え方の問題です。


感情をコントロールしようとしない

気持ちが乱れたとき、
「冷静にならなきゃ」
「気にしないようにしよう」

そう思うほど、
かえって感情は強くなります。

感情は、
押さえつけようとすると、
余計に存在感を増すものです。

ここで大切なのは、
感情をなくすことではありません。

感情に巻き込まれすぎない距離をつくること。

・いま、少し余裕がない
・いま、気を張りすぎている
・いま、疲れが溜まっている

そう認識できるだけで、
感情は、自分そのものではなくなります。

一歩、外から眺められる。

その状態で、
「これは、ここまで抱える必要があっただろうか」
そう考えてみる。

答えが出なくても構いません。
考えられた、という事実だけで、
心は少し整います。


「ちゃんとし続ける」ことから、少し降りる

落ち着いて働けないと感じる人の多くは、
日々を、真面目に積み重ねてきた人だと思います。

だからこそ、
無意識に、
「ちゃんとしていなければならない状態」を
保ち続けてしまう。

でも、
毎日、同じ強度で気を張り続けることは、
現実的ではありません。

今日は、ここまででいい。
今日は、完璧じゃなくていい。
今日は、少し雑でもいい。

そうやって、
自分で強度を下げる判断ができるかどうか。

それが、
長く働き続けるための、
一つの分かれ目になるように感じています。


もう一度、整理として

落ち着いて働くために必要なのは、
自分を奮い立たせることではなく、
抱え込みすぎているものに気づく
こと。

気持ちが重くなるのは、
弱いからでも、向いていないからでもありません。

これまで、
丁寧に向き合ってきた証です。

ただ、
これからも同じように抱え続ける必要はない。

そう思えたとき、
心のどこかにあった枷が、
少しだけ緩むことがあります。

この文章が、
そのきっかけの一つになれば、
それで十分です。

また、
気持ちが散らかったときに、
思い出してもらえたら。

ここで、
一度、呼吸を整えてから、
日常に戻っていけたらと思います。