売上画面を見るのをやめて、「お店」を見たときの話。

売上画面を見るのをやめて、「お店」を見たときの話。のアイキャッチ画像 03 | EC・デジタル活用

管理画面を開くと、つい更新ボタンを押してしまいます。

さっき見たばかりなのに、「もう一度だけ」という気持ちで。

売上速報、セッション数、ROAS。

並んでいる数字は大して昨日と変わらないと分かっているのに、どこか落ち着かないまま時間が過ぎていきます。

数字を見ているはずなのに、自分の仕事をしていないような。

そんな不思議な焦りを感じることはありませんか?

数字の画面を、何度も更新してしまう朝

管理画面を開くと、昨日の数字が並んでいます。

色のついたグラフと、正確な数値。

悪くはない。でも、よくもない。

更新ボタンを押すたびに、少しだけ喉が渇くような感覚があります。

「何かが足りない」

それが何なのかは、管理画面のどこにも書いてありません。

数字は嘘をつきません。でも、感情も語ってくれません。

ただ、画面のこちら側にいる僕たちの焦りだけが、静かに溜まっていくような気がします。

なぜか、スマホで自分の店を開いてみた

その朝、ふとPCを閉じました。

理由ははっきりしません。ただ、あの無機質な管理画面から少し離れたかっただけかもしれません。

通勤電車の中で、いつものようにSNSを開く代わりに、自分の店のURLを叩きました。

検索でもなく、分析でもなく、ただの「お客さま」として。

そういえば、自分の店をスマホでじっくり見るなんて、久しぶりな気がしました。

「お客さまは、毎日この画面を見ているんだ」

スマホを握りしめながら、そんな当たり前のことを思い出しました。

スマホで巡回して、引っかかった「小さな違和感」

トップページが表示されます。

毎日PCで作っているはずの売場なのに、スマホで見ると少し印象が違いました。

メインビジュアルの画像が、少しだけ粗い気がする。

PCの大画面では気にならなかった部分です。

「送料無料」のバナーの文字が、思ったより小さい。

揺れる電車の中では、これを読むのは少ししんどいかもしれない。

スクロールすると、商品の説明が続きます。

丁寧に書いたはずの文章が、スマホの狭い画面では文字の「塊」に見えてしまう。

「悪くはないけれど、なんだか優しくない」

そんな印象が残りました。

決定的な欠陥ではありません。でも、「買いづらいな」と感じさせる小さな違和感が、そこかしこに落ちていました。

数字は「結果」で、売場は「原因」

ふと、管理画面の数字が頭に浮かびました。

滞在時間が短い理由。直帰率が高い理由。

あの冷たい数値の原因は、すべてここにありました。

今、僕の手のひらの中にある、この画面に。

数字は「結果」で、売場は「原因」です。

この関係は、頭では理解しているつもりでした。

でも、毎日数字ばかりを見続けていると、いつの間にかそれが逆転してしまいます。

結果(数字)をなんとか操作しようとして、原因(売場)から目を逸らしてしまう。

でも、スマホの小さな画面は言い訳を許してくれません。

「景気が悪い」「市場が悪い」そう言いたくなる前に、

「ここ、読みにくいよ」と、売場そのものが静かに本音を語りかけてくるのです。

管理画面から、お客さまの視線へ

スマホでの巡回を終えたあと、不思議と焦りは少し和らいでいました。

もちろん、今の時点では売上も数字も変わっていません。

でも、「見る方向」が変わりました。

それだけで、少し呼吸が整う感覚がありました。

「次に手を入れるべき場所」が見えると、仕事は静かになります。

改善点は山ほど見つかりました。

もちろん、全部を一気に直すことはできません。

だから、明日はひとつだけ。

画像の文字を少し大きくしてみる。

説明文の行間を、あと1行分だけ空けてみる。

そんな「明日からできる小さな手入れ」が見えただけで十分です。

管理画面は、また明日開けばいい。

その前に、一度だけ更新ボタンを押すのをやめて、スマホで自分の店を眺めてみる。

それだけで、数字に追われる毎日が、少しだけ「お店を育てる毎日」に変わる気がしています。

今日を少しよくするヒントとして。