「SNS専任」という言葉に、すぐ答えが出なかった理由

「SNS専任」という言葉に、すぐ答えが出なかった理由のアイキャッチ画像 01 | 働き方とキャリア

ある日、突然の打ち合わせで投げかけられた問いがありました。
「SNSを本気でやるなら、既存のスタッフを専任にする覚悟はあるか?」

短い一言でしたが、その場で答えを出せるほど単純な話ではありませんでした。
チームの現実、個人のキャリア、そして会社のこれから。
頭の中で、いくつもの線が交差していく感覚がありました。

SNSは「片手間」では育たない

SNSは、いまや重要な接点のひとつです。
ただ、やってみるとすぐに分かります。
投稿を続けるだけでは、ほとんど何も積み上がらないということに。

企画を考え、
表現を選び、
言葉を整え、
反応を見て、
また考え直す。

この繰り返しは、思っている以上に時間と集中力を使います。
「本気でやる」と決めた瞬間、片手間では回らなくなるのが現実です。

あるスタッフが、ぽつりと本音をこぼしてくれたことがあります。
「本当は、SNSをもっとやってみたいんです」

その言葉は、確かに希望でした。
同時に、ひとつの問いも残しました。
その人が今担っている仕事は、誰が引き受けるのか。

人材配置は、きれいな話だけでは終わらない

人をどう配置するか。
そこには、必ず葛藤が生まれます。

会社としては、成果や効率を考えたい。
一方で、個人には伸ばしたい方向や、試したい役割がある。

この二つが自然に重なることは、実は多くありません。
どちらかに寄せすぎると、別の場所に歪みが出てきます。

今回、改めて感じたのは、
人材配置は合理性だけでは決めきれないということでした。
感情も、信頼も、積み重ねた時間も、そこに含まれているからです。

現場から見える、静かなリスク

「SNS専任」という言葉は、前向きに聞こえます。
けれど、現場に立っていると、見えてくるものもあります。

育成途中の人が抜けることで生じる空白。
採用や教育を、また一から積み直す負荷。
判断が軽く進んでしまうことへの不安。

人は、簡単に置き換えられる存在ではありません。
その人が積み上げてきた経験は、その人にしか持てないものだからです。

だからこそ、配置を変えるという決断には、
慎重さと同時に、覚悟が求められます。

今回の出来事から考えたこと

はっきりした正解があるわけではありません。
ただ、整理しておきたい視点はありました。

・無理に動かす前に、別の選択肢はないか
・部署や役割を分断せず、知見が循環する形は作れないか
・「やりたい」をどう会社の責任として受け止めるか

どれも、即効性のある話ではありません。
それでも、考えることを止めない価値はあると思っています。

立ち止まって、自分たちを見直す

あなたの職場ではどうでしょうか。

SNSを任されているのは、どんな人でしょうか。
その人は、納得してそこに立っていますか。
配置を変えることで失うものを、きちんと想像できていますか。

人材の話は、いつも経営の話につながっています。
目の前の効率だけで判断すると、あとから気づくことも少なくありません。

まとめに代えて

SNS専任をめぐる議論は、
人材育成、組織の在り方、個人のキャリアが交差する場所です。

誰かを無理に動かすことでも、
気合で乗り切ることでもない。

いま抱えている違和感に、
どう向き合うか。
その姿勢そのものが、次の未来をつくっていく。

そんなことを、今回の出来事から考えていました。