立ち止まることに、言い訳が必要だと思っていた頃

立ち止まることに、言い訳が必要だと思っていた頃のアイキャッチ画像 01 | 働き方とキャリア

忙しさが当たり前になってから、
「休む」という言葉に、
どこか引っかかりを覚えるようになった。

体が重いとか、
明らかに疲れているとか、
そういう分かりやすい理由があれば、
まだ納得できる。

でも、
理由をうまく言葉にできない疲れや、
説明しきれない違和感に対しては、
自分で自分を許せない感覚があった。

立ち止まるなら、
ちゃんとした理由が必要。
休むなら、
誰かに説明できる材料が必要。

そんなふうに、
いつの間にか思い込んでいた。


仕事が回っている限り、問題ないと思っていた

日々の仕事は、
止まらずに流れていた。

大きなトラブルはない。
数字も、極端に悪いわけじゃない。
周囲から見れば、
「ちゃんとやっている人」だったと思う。

だからこそ、
自分の中の小さな疲れや、
気持ちの鈍さを、
見ないようにしていた。

まだ大丈夫。
今は踏ん張りどころ。
ここで休むのは、
少し甘い気がする。

そんな言葉を、
何度も頭の中で繰り返していた。


なぜ、この記事を書くことにしたのか

ある日、
スケジュールに少しだけ空白ができた。

たまたま。
本当に、偶然。

その時間を見た瞬間、
安心より先に、
焦りが出てきた。

「この時間、何か入れたほうがいいんじゃないか」
「無駄にしていると思われないだろうか」

誰に言われたわけでもないのに、
自分で自分を追い立てていた。

そのとき、
少しだけ立ち止まって考えた。

ああ、
僕はもう、
立ち止まること自体に、
言い訳を探しているんだな、と。

それが、
この文章を書くきっかけだった。


休むことに、理由を求めすぎていた

振り返ってみると、
休むこと自体が悪いとは、
思っていなかった。

ただ、
「なぜ休むのか」を
説明できない状態が、
落ち着かなかった。

疲れたから、では弱い気がする。
気分が乗らない、では説得力がない。
なんとなく、では許されない。

だから、
もっともらしい理由を探す。

体調。
効率。
生産性。
将来のため。

そうやって、
後付けの理屈を積み重ねてからでないと、
立ち止まれなかった。


働き方との距離を、少しだけ変えてみた

ある時期から、
「フルで走らない日」を
意識的につくるようになった。

休む、というより、
少し速度を落とす感覚に近い。

早く終わらせる日。
深く考えない日。
あえて余白を残す日。

それを始めたからといって、
何かが劇的に変わったわけではない。

ただ、
仕事との距離が、
ほんの少し変わった。

追いかけられている感じが、
少し薄れた。


生活の中で感じた、小さな変化

仕事を切り上げた夜、
特別なことはしていない。

早めに風呂に入る。
静かな音楽を流す。
スマートフォンを見る時間を、
少し減らす。

それだけ。

でも、
「何もしなかった」という感覚が、
以前ほど重くなくなった。

何かを足さなくても、
一日が終わっていい。
そう思える時間が、
少しずつ増えた。


昔の自分と、今の自分を並べてみる

若い頃は、
止まることが怖かった。

動いていないと、
置いていかれる気がした。
考え込むと、
遅れる気がした。

その感覚は、
今も完全には消えていない。

ただ、
止まらずに走り続けた先に、
必ず何かがあるわけではない、
ということも、
少しずつ分かってきた。


「変わらなくてもいい」という選択肢

立ち止まると、
変わらなければ、
前に進まなければ、
と思いがちになる。

でも、
変わらないまま、
呼吸を整える時間があっても、
いいのかもしれない。

何かを決めなくても。
答えを出さなくても。
方向を定めなくても。

今の場所で、
少し腰を下ろす。

それだけで、
十分な日もある。


この先にありそうな、静かな未来

この先、
また忙しくなる時期は来ると思う。

立ち止まれない日も、
きっとある。

それでも、
「理由がなくても休んでいい」
という感覚
を、
忘れずにいられたら。

立ち止まることを、
説明しなくてもいい未来。

誰かの許可ではなく、
自分の感覚を基準にできる日々。

そんな時間が、
少しずつ増えていく気がしている。


立ち止まることに、
正当な理由が必要だと思っていた頃。

今も、
完全に抜け出せたわけではない。

ただ、
理由がなくても、
止まっていいかもしれない

と思える瞬間が、
増えてきた。

それで何かが変わるのか、
変わらないのかは、
まだ分からない。

このままでいいのかどうかも、
正直、判断はつかない。

でも、
少なくとも今は、
少し呼吸がしやすい。

その感覚を、
どう扱うかは、
これから考えていけばいい。

そんなふうに、
思っている。